今後の展望



今後の展望

建築業での3Dプリンター活用は世界的にも経済・労働力・環境改善につながる大きな可能性を秘めています。現在実用化されているのは模型作成や建築物見本、プレゼンテーションへの活用がほとんどですが、今後建造物自体を建設するのに3Dプリンターを活用するプロジェクトが増えていくことは確実です。海中施設や月面基地などにも3Dプリンター技術を用いることで発展を目指すプロジェクトもあるそうで、ますます可能性が広がります。


1日で家を建つ!?日本に3Dプリンター住宅が実装された場合の住宅業界の2つの末路

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住宅業界としている私から言わせてもらうと、この3D住宅が本格的に日本に登場した場合は私たちの仕事・建築業界の仕事が半分になるかもしれないと直感しました。

私が一番驚いたのが3Dプリンターは高さが最大3.1m、長さが8.5mの小型クレーン車ような形状をしており、一般の解体工事などで使われる重機同様にトラックで運搬することができる。

つまりトラックで現場まで運べるという事は、現場で3Dプリンターで材料を印刷して

現場で建築することができる!!

こと。

この2つの点以外にも驚く事は隠せませんが、3Dプリンターで住宅を建築するようになった場合の私たちの業界の未来を予想してみるとする。


世界では3Dプリンター住宅がどんどん市場に出てきている。

日本ではまだなじみがない3Dプリンター住宅ですが、世界各地で3Dプリンター住宅の建築・開発がどんどん進んできております。

中国にはWinsinという3Dプリンター住宅専用の会社があります。

Winsinは3Dプリンター住宅で最大で5階建てのマンションを作成したことがあり、組み立ての5日~6日で外観を完成し、内装に1カ月程度を要して完成させました。

下記の写真はWinsinがドバイで建築した3Dプリンター住宅になります。

これからの時代中国のWinsinを中心に3Dプリンター住宅がどんどん建築されていくでしょう。

ちなみに東南アジア以外にも、アメリカでは3Dコンクリートプリンター市場が2015年ですでに約27億円あり、2021年には約63億円までに拡大すると予想されています。

出典:MARKETS AND MARKETS

日本はこの3Dプリンター住宅からかなり遅れているように感じますが、それには理由があります。


地震大国日本では、建築基準法が厳しく3Dプリンターを使用することができない現実

日本がここまで3Dプリンター住宅に遅れているのは、日本自体が3Dプリンター住宅に否定的な事が挙げられます。

日本は地震大国故に建築基準法が世界NO1と言われているほど厳しく、3Dプリンターのようにプレハブ住宅を建築することにものすごく否定的です。

日本の建築も日々進化しております。材木をCADデータを利用することで自動的に寸法に合わせてプレカットしてくれるので、すでに日本の建築も3Dプリンター同様に現場で建築しているのです。

ただし基準法が厳しいがゆえに構造複雑・耐久性に優れた材料が高いなどの理由により建築コストが3Dプリンターに比べて高いのは一目瞭然です。

日本で3Dプリンターが導入されるのはまだまだ先の話かもしれません。


大林組が3Dプリンターを開発したことで日本の住宅が3Dプリンターになるのは近い?

建築基準法が厳しいとは言え、日本が3Dプリンターで住宅を建築する事をあきらめたわけではありません。

建築業界の大手である大林組でコンクリートによる3Dプリンターを開発することに成功しました。

今までは樹脂でしか3Dプリンターで作ることができなかったのに、セメント(コンクリート)作れる3Dプリンターが開発されてしまいました。

これにより樹脂よりは強度の保てる住宅を作ることができるので、現段階でマンションなどを建築する事は不可能ですが、もしこれが一戸建てに適応された場合、年間80万棟を建築している戸建て業界に3Dプリンターが採用されれば一気に戸建ての値段が暴落するのは目に見えております。

日本が現在の建築基準法に適応する3Dプリンターを開発するのも時間の問題かもしれません。


日本が3Dプリンター住宅になった場合に起こりうる住宅業界の2つの末路

建築費の圧倒的な安さで住宅取引の手数料が深刻な状況に・・・

私が懸念しているのは、建築コストが圧倒的に下がることで仲介手数料の激減を心配しております。

建売が1坪あたりを建築する際の原価が大体30万~40万ぐらいで建てている建売業者が多いです。

あくまでも原価ですが、最近大工のコストが上がってきているため原価が上昇している傾向にあります。

しかしこの3Dプリンター住宅は38㎡の住宅を建築するのにあたってたったの115.5万円しかかかっておりません。

坪単価に換算すると38㎡は11.49坪になります。

そこから計算すると坪単価たったの約10万円です!

3Dプリンターを使用することで、現在のコストの約3分の1~4分の1に抑えることができます。

よって3Dプリンターが実装された場合の仲介手数料はこうです。

仮に3,000の土地に30坪の建物を建築したとします。ここでは原価で建物を計算しますが、坪40万円で建てた場合は1,200万円なので、合計で4,200万円になります。対して3Dプリンターで100㎡の建物を建築すると建築費はたったの300万円です。合計で3,300万円

仲介手数料の計算で4,200万円の場合は132万円×税に対して、3Dプリンターの場合は105万円×税と約30万円の手数料が減ることになります。

たったの30万円じゃんと思った方・・・これはあくまでも都内の話です。問題は地方の不動産屋!

地方の土地で上記で上げた3,000万円で売っている土地なんてほとんどありません。

住宅用地であれば1,000万円ぐらいの土地が良い所でしょうね。土地が1000万円だった場合の3Dプリンターの手数料計算は悲惨すぎます。

1,000万+建築費300万円×3%+6万円=45万円×税にしかならない・・・

これでは住宅取引の仕事に対して割に合いません。消費者の立場としては3Dプリンターの住宅は画期的だと思います。

私も3Dプリンターの住宅でもいいと思っております。しかし、販売価格のパーセンゲージで働いている不動産屋からしてみると、建築価格が大幅にコストカットされることは収入の大幅な現状に繋がるのでこれはこれで困ったものです。

どっかのブログでまだ東京で消耗しているのというブログが有りますが、不動産屋は東京付近で消耗しないと手数料の関係上、生き残れないのです。ますます地方の不動産屋は淘汰されていくでしょうね。

都内も2022年から土地が下落するので、都内も手数料減額が深刻な問題になってくるでしょう。


1日で住宅ができてしまうため、大工・現場監督の仕事が減る

大工さんは木造の家をいつも一生懸命立てて頂き、1棟の家を仕上げるまでに約40日~50日ほどかかるそう。☚大工さんから聞いた話です。しかし3Dプリンターではそうはいきません。

3Dプリンターで建築するとたったの1日で住宅ができてしまうので、極端な話印刷された家のパーツを組み立てる人とライフラインの水道屋・ガス屋・電気屋がいれば建物が完成してしまうのです。

恐らくそこには大工さんではなく、プリンターの出力を確認する方だったり、現場監督よりも3Dプリンター住宅の設計図を描く設計士さんの活躍が期待されると思います。

あくまでも勝手な予想ですが、大工さんの需要は減ってしまう事は間違えなさそうです。逆に電気工事士などはより一層求められるでしょね。


まとめ

3Dプリンターで住宅が作れるニュースについてはいかがだったでしょうか?

正直このニュースを見て自分の仕事もいつか無くなるのではと危惧してしまいました。

住宅業界・建築業界は今しばらくはオリンピックの等の影響で盛り上がっておりますが、オリンピック後は冷え込みそうです。

なぜなら2019年には総世帯数の需要と供給数の逆転や、2020年のオリンピック後のマンション下落問題等が有るからです。

3Dプリンターでは防火面などでまだ不安があると思いますが、必ず使用する時代が来るでしょう。

そして戸建て業界最大手のパワービルダー系(飯田グループ)が着手したら戸建て業界が一気に値段が下がりそうです。

IT技術が進めば今働いているほとんどの職種が乗っ取られてしまいますが、自分自身ITを利用しながら活躍できるように自己ブランデングをしていく必要を感じました。

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最後まで読んでいただき誠にありがとうございます。