3Dプリンタを用いた建築技術の特徴とメリット
現場の人件費が安くなる
3Dプリンタ技術が取り入れられると、現場の施工はほとんど3Dプリンタが行います。
そのため必要な人材としては、
3Dプリンタを運ぶ人
3Dプリンタを監督する人(現場監督)
3Dプリンタの材料を調整する人
3Dプリンタをメンテナンスする人
などの、3Dプリンタの補佐をする人であると考えられます。
そうなれば、現在大工などの現場で組み立てる仕事はなくなる可能性が高いでしょう。
施工時間が短い
3Dプリンタで実際に建築している組織は世界でもまだ少ないですが、中国のある起業が開発した建築用の3Dプリンタでは、10軒の住宅の着工から竣工までを24時間で行えると発表されており、驚異的な速さを実現しています。
環境に良い
3Dプリンタは積層造形技術のため、材料を機械の先端から抽出しながら造形していくため、必要最低限の量で物体を出力することができます。
建築に関わらず、従来のものづくりでは、必要とする部材が作れるだけの原料の塊から、不必要なところを切削しながら部材を作り出していくため、削りカスが出てしまいます。
しかし3Dプリンタなら制作する過程でゴミが出ないため、環境負荷を低減する効果も大きく期待されています。
また、3Dプリンタは完成までの工程に動きの無駄がないため、人間が建設するよりも原料やエネルギー資源の無駄をなくすことも期待できます。
3Dプリンターでコミュニケーションが簡単に
3Dプリンターは建設業界の「伝える」難しさを乗り越えるツールとして活用されることが増えています。
例えば、前田建設工業では、3Dプリンターで作成した模型を使って顧客とのコミュニケーションを円滑かつスムーズにすることに成功した記号の1つです。建設業界の顧客へのプレゼンの難しさは、その構造の複雑さにあるといわれています。前田建設工業が建築するビルや建物は、プレゼン時に顧客へ伝えなければならない情報量が一般の住宅建築とは比べ物になりません。そのため、ビルやマンション、空港、工場のチェック項目は、かなり多岐にわたります。
加えて、建物の構造や仕組みのみならず雰囲気など感覚的なこともできるだけ伝える必要があります。そんな時に、3Dプリンターを使った3次元の模型を使うことでより分かりやすく、確実にクライアントへ提案できるようになったといいます。